MHB2025年度研究大会 参加申込方法・プログラムのご案内

 

2025年7月11日

母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会では、来る2025年8月15日(金)から同16日(土)までの2日間に2025年度研究大会(オンライン)を開催します。

今年度の大会テーマは「トランスランゲージング・クラスルーム:理論から実践へ」です。

多文化多言語の子どもたちが、自らの文化的・言語的資源を自由に活用し、安心して学べる環境を実現するためには、子どもの側に適応を求めるのではなく、教育の仕組みや社会の側が変わる必要があります。本大会では、「トランスランゲージング」の視点から、そのような環境をいかに構築できるのかを理論と実践の両面から検討し、公正で包摂的な教育のあり方を問い直します(※トランスランゲージングとは、複数言語を固定的に分けず、複数言語使用者が自身が持つ全ての言語レパートリーを場に応じて柔軟に使用することを指します)。

基調講演(8月15日)には「トランスランゲージング教育論」の提唱者である Ofelia García 博士をお招きし、世界的に展開されている最新の理論的議論とその教育的インパクトについてご講演いただきます。企画趣旨やプログラム詳細、参加申込み方法は以下をご覧ください。関心をお持ちの多くの方のご参加をお待ちしております。

MHB学会 2025年度大会実行委員会 taikai2025@mhb.jp

 

≪トランスランゲージング・クラスルーム:理論から実践へ≫

日時:2025年8月15日(金)〜16日(土)(UTC+9)

形態:オンライン(Zoom)

参加費:MHB学会員 3,000円、非会員4,000円

*年会費納付済み会員は専用サイトにあるクーポン(1,000円割引)をご利用ください。
*入会希望者は https://mhb.jp/admission をご覧の上、お手続きください。

参加申込みサイト:https://mhb2025.peatix.com/

(2025年8月8日まで申し込み可)

 

《 プログラム 》

 *以下、すべて日本時間(UTC+9)による記載です。

8月15日(金)

10:00~12:00  会員による発表 1  ※3会場同時進行

<第1会場>【口頭発表】

ブラジル学校を卒業した一人の若者の語りから捉えるキャリア形成

 ―社会との関係性を通じた自己認識の変容プロセス― 

吉川 夏渚子(大阪大学大学院博士後期課程)

 

多文化多言語環境で生きる当事者のアイデンティティを描き出す試み

―対話的自己エスノグラフィーとトランスランゲージング理論を通して―

松崎 かおり(大阪大学大学院博士後期課程)

 

CLD児童の教育に関わる小学校教師のビリーフ

―大阪府X市の事例から―

田中 倫(大阪大学大学院博士前期課程)

 

<第2会場>【口頭発表】

日本の初等教育の方向性と在日朝鮮族親の期待

蔡 光華(東京学芸大学博士後期課程)

 

中国延辺朝鮮族自治州の朝鮮族中学生の継承語に関する意識

―アイデンティティ形成の視点から―

李 娜(信州大学)

黄 正国(九州大学)

 

多子家庭における兄弟姉妹間の相互作用と母語継承における主体性:家庭A・Bの事例分析

劉 暁陸(立教大学博士前期課程)

 

<第3会場>【口頭発表】

南米日系継承語教育活動を評価する

ーコンヴィヴィアリティを評価軸とした協働的評価活動の実践ー

末永 サンドラ 輝美(国際交流基金サンパウロ日本文化センター)

横溝 みえ(マイリポラン同志会日本語学校)

牧野 圭二郎(オキナワ第一日ボ学校)

松田 真希子(東京都立大学)

 

トランスランゲージングがひらく学びの扉

― 公立高校におけるCLD生徒の成長の軌跡ー

大西 奈津(愛知県立衣台高等学校)

坪井 亮(愛知県立衣台高等学校)

小島 祥美(東京外国語大学)

 

新聞記事における「外国人児童生徒」の表象の変化

村上 智里(関西大学)

 

13:00~15:00 大会実行委員企画:講演&パネルセッション

 「トランスランゲージング再考概念的多様性とその射程

Rethinking Translanguaging: Its Conceptual Diversity and Scope

【講演】

加納 なおみ氏(國學院大學)

トランスランゲージング教育論 ―過去、現在、そして未来―

Evolving Translanguaging in Education: Past, Present, and Future

 

【パネルセッション】

 櫻井 千穂氏(大阪大学)

教室から始まる静かなる革命

―トランスランゲージングと国内CLD児の学びの可能性―

A Quiet Revolution Starting from the Classroom: Translanguaging and Expanding Learning Opportunities for CLD Students in Japan

 

 三輪 聖氏(テュービンゲン大学)

教室における生徒の〈声〉の解放とウェルビーイング

―海外の継承日本語クラスにおけるトランスランゲージングの可能性―

The Liberation of Student 'Voices' and Well-being in the Classroom: Exploring the Potential of Translanguaging in Overseas Heritage Japanese Language Classes

 

佐野 愛子氏(立命館大学)

トランスランゲージング教育論における教師のスタンスとデザイン

ーバイリンガルろう教育からの示唆ー

Stance and Deigns in Translanguaging Pedagogy: What We Learn from Bilingual Deaf Education 

 

指定討論 友沢 昭江氏(桃山学院大学)

 

15:15~15:45  総会

 

16:00~17:45 国内CLD児SIG主催 実践/研究の語り場 PartⅡ(会員・準会員のみ、別途申し込み必要)

 

21:00~23:00 基調講演 

Ofelia García 博士(The Graduate Center, City University of New York)

言語の脱植民地化とトランスランゲージング教育論: その目的と方法

Decolonizing Language and Translanguaging Pedagogies: The Why and How  

詳細はこちら  ※日英同時通訳あり

 

8月16日(土)

10:00~12:00 研究方法WS 

小澤 伊久美氏 (国際基督教大学)

はじめての複線径路等至性アプローチ(TEA)—複線径路等至性モデリング(TEM)を中心に

Getting Started with the Trajectory Equifinality Approach (TEA):Focusing on Trajectory Equifinality Modeling (TEM)

 

13:00~15:00  会員による発表 2  ※3会場同時進行

<第1会場>【口頭発表】

トリオ・エスノグラフィー研究:カナダ・トロントにおける日本につながりを持つ子どもたちを取り巻く

社会的環境

谷村 緑(立命館大学)

三井 晶子(ヨーク大学)

イアン・マーティン(ヨーク大学グレンドンカレッジ)

 

「移動する」言語教師のライフストーリーとトランスナショナル・アイデンティティ

小幡 佳菜絵(清華大学大学院博士後期課程修了生)

ストゥルーベ友紀(Columbia Basin College)

                

日本育ちの成人継承中国語話者の中国語「動詞・名詞コロケーション」の産出

―苦手な項目と言語背景に着目して―

 西川 朋美(お茶の水女子大学)

 周 超珂(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

岡 加代(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

唐 姣姣(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

                          

<第2会場>【口頭発表】

トランスランゲージングを取り入れた授業実践にみる生徒の変容

 ―国際バカロレア・ディプロマプログラム(IBDP)「文学」を事例として―

山田 浩美(筑波大学大学院博士後期課程)

 

留学生と国内学生の交流を促すためのトランスランゲージング実践

―留学生の言語使用と方略の意識に見られるICコンピテンシーとその育成―

伊吹 香織(東京国際大学)

ガガトコ・エリン(東京国際大学)

多言語話者の子どもたちの「ことば」

 ートランスランゲージング的視点からの探索的研究ー

ゴーシュ 美和(The American School In Japan)

    

  <第3会場>【口頭発表】

高校国語におけるトランスランゲージング授業実践

 ―現代日本語・古語・英語の往還を通じた帰国生と一般生の協働学習―

加納 なおみ(國學院大學)

嶋田 龍司(渋谷教育学園幕張中学校・高等学校)

 

再話活動における内容理解を支える柔軟な言語使用の実践

―トランスランゲージングの視点から―

ERDENEE BINDERIYA(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

 

教育的トランスランゲージングを活かした日本語教育:その課題と可能性

トロイツカヤ ナターリヤ (ブリティッシュ・スクール・イン東京)

 

15:00~17:00  会員による発表 3  ※3会場同時進行

   <第1会場>【パネルセッション】

人はなぜ、読書会に集うのか

―MHB 有志による読書会の参加当事者から―

小澤 伊久美(国際基督教大学)

小幡 佳菜絵(清華大学人文学院博士後期課程修了生)

権野 禎(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

ストゥルーベ 友紀(Columbia Basin College)

指定討論 木下 寛子(九州大学大学院)

 

<第2会場>【口頭発表】

ドイツにおける移民・難民の子どもたち向けの「準備クラス」

―移民背景を持つ子どもたちが安心して学べる教育のあり方を考える―

三輪 聖(テュービンゲン大学)

 

エストニアにおけるde facto言語政策としてのトランスランゲージング

ーある日本語教室における事例からー

横井 幸子(大阪大学)

 

<第3会場>【口頭発表】

一人の日本人多言語学習者における自己効力感の形成条件

―正統的周辺参加の視点から―

秋山美香(関西大学大学院博士課程後期課程)

山崎直樹(関西大学)

初修中国語学習者の英中同時学習と統合的言語能力をめぐる意識調査

湯山 トミ子(東京都立大学)

篠塚麻衣子(東京都立大学)

藤本かおる(武蔵野大学)