MHB学会2020年オンライン読書会のご案内「ファミリー・ランゲージ・ポリシー (Family Language Policy)を考える」

母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会 2020年 オンライン読書会のご案内

「ファミリー・ランゲージ・ポリシー (Family Language Policy)を考える」

母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会は、これまで多言語環境で育つ幼児・児童・生徒・およびその他の学習者一人一人の成長や発達、社会参加について様々な側面から研究の蓄積を図ってまいりました。個人と社会的環境との接点となる集団の最小単位として「家族」に注目し、学校における学習言語及び地域・国家レベルの言語政策との関係性を深く考察し、理解することができるテーマとして、この度「ファミリー・ランゲージ・ポリシー(Family Language Policy, 以下FLP)」を取り上げ、学会員の皆様を対象にオンライン読書会を開催することに致しました。

FLP研究 は、子どもの言語習得と、言語政策という2つの領域をベースに、これらミクロレベルとマクロレベルで起こる現象の相互作用を考察しつつ、近年ではより多彩なトピックを包含して発展しています。FLP研究動向は、「子どもの言語力」という「結果」に着目するものから、次第にバイリンガリズム・マルチリンガリズムを「プロセス」、「経験」としてみる方向に変化しており、従来の西欧的核家族モデルにおける親の視点を中心とした研究から、当事者である子どもの視点を反映したものや、非西欧的文脈におけるFLPに着目した研究が増加する傾向にあります。FLPは言語文化の多様性に直結することから、“family”こそが子どもの言語習得に多大な影響を及ぼす動的な場であるととらえており、ここから、言語少数派の家庭内でいかに容易に主流派言語への移行が促進されるか、そしてそれは個人や一家族レベルを超え、社会集団的・国際的な要因といかなる相互作用を持っているか、など多くの興味深い提言が得られています。

今回の読書会で取り上げる文献は、FLPの源流となった重要な研究・先駆的な研究から近年の多様化した論文まで全13本を含み、FLP 研究の変遷を概観しながら、参加者一人一人が、自らのFLPや言語教育実践を振り返り、今後への示唆を得られる機会となることを願って企画されました。多言語環境で育つ学習者に関わる多くの会員の皆様のご参加をお待ち申し上げております。

読書会に参加をご希望の方は下記のフォームからお申し込みください。 読書会が近づきましたら、ZoomのURLやレジュメ配布方法など詳細情報をお知らせ致します。

【日  時】  2020年11月8日 日曜日 第一部9:00-12:00,  第二部13:00-16:00

【概  要】  MHB学会会員がリスト上の論文1本ずつを担当(すでに担当決定済み、文献一覧はこちら)し、約20分で解説、その後10分弱質疑を行います。

【定  員】  50名(学会員限定・参加費無料)

【参加申込】    2020年11月2日までに以下のフォームからお申し込みください。

       ※定員に達したため、締め切りました。

【お問合せ】    MHB学会大会実行委員(読書会担当) taikai@mhb.jpまで