第12回母語・継承語・バイリンガル教育研究会
「一時的セミリンガル現象を考える・続の続」
企画担当:中島和子
第12回母語・継承語・バイリンガル教育研究会「一時的セミリンガル現象を考える・続の続」の会は、盛況のうちに終わりました。事前申し込みの方で欠席した方がたった一人で、56名の出席者(入室可能 な人員いっぱいでした)でした。皆さまの関心の高さ、真剣さがしのばれます。今回、申し込みがあとになり、お断りした方々には申し訳なく思っています。母語が5カ国語のわたる事例、計8事例について発表がありました。および浜松のカナリーニョ教室の経験から不就学の子どもたちの対応について発表していただきました。
今回の研究会は現在進行中の事例であり、半クローズドのような形で情報提供をして下さいましたので、研究会で配布した資料をMHBのHPにアップロードすることはいたしません。また、児童生徒の特定につながる危険性を考え、以下のように要約した形で報告をいたします。
まず、問題提起者である中島和子先生から、最初に、子どもの躓きのタイプと言語面、行動面、学習面、情緒面についてのチェックリスト案、および、躓きの領域と推測要因のリストの案の提供がありました。ついで、異文化間移動を余儀なくされる子どもたちの低学力の要因について4つのモデル(社会的環境、機能上の障害、教育環境、生育環境・家庭環境)の紹介がありました。
ポルトガル語、スペイン語、中国語、インドシナ系、日本語(の英語圏で)の5つの母語の事例、および浜松のカナリーニョ教室の経験から不就学の子どもたちの対応について発表がありました。
豊富な情報がとびかい、事例発表の後、質問や似た経験を持つ人からの助言が交換されました。事例の中には、問題の紹介だけでなく、時間がたってそれが解決に向かった様子や、所属クラスでどのように担任の先生のクラス経営や日本語教室の先生のネットワーキングの働きかけがうまくいったかなどの「解法」まで含まれる事例もあり貴重な情報となりました。後半は時間不足であまり討論の時間がとれなかったのが残念でした。
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日本生まれの外国人児童生徒が増えるなか、日本語も母語(子どもにとっては継承語)も十分
育つ環境が与えられず、小学校1年生になったときにすでに1,2年遅れで授業に十分参加がで
きないという子どもが多くなっています。そういう子どもに日本の学校の中でどのような教育的
措置が可能でしょうか。また適切な対処なく授業参加ができないまま高学年・中学生になってし
まった子どもにはどうすればいいのでしょうか。さらに就学前の教育はどうあれば、このような
「一時的セミリンガル現象」を阻止できるのでしょうか。
皆でさまざまなケースを持ち寄り、インフォーマルな話し合いの会を開きたいと思います。
奮ってご参加ください。
参加費は無料ですが、事前申し込みはお願いいたします。
先着順で35名までにさせていただきますので、参加希望の方は、
お申し込みください。
日時:2006年3月3日(土), 1:00-4:00 p.m.
場所:桜美林大学新宿第2キャンパス農協ビル7階L教室
ややわかりにくい場所です。詳しくは、
http://homepage2.nifty.com/JALP/index.html
をご参照ください。
参加費:無料
資料代:500円(含む・茶菓代)
※ケースをお持ちの方にぜひお話しいただきたいと思います。
10分ぐらいを目処に年齢、家庭言語環境、教育歴、問題点、対処方法(もしあれば)について
ご発表いただける方は至急、中島和子