2018年度研究大会 プログラム詳細:2018年度研究大会終わる

2018年8月15日更新

MHB学会の2018年度研究大会は、台風13号の影響により一部日程の中止・変更を伴いましたが、スタッフ役員を含めて合計178名の参加を得て、盛況のうちに終了いたしました。悪天候の中、多くの皆様にご発表・ご参加をいただき、ありがとうございました。

大会予稿集の残部は僅少ですがございますのでご希望の方に頒布いたします。入手希望の方はこちらの手続きに沿ってお申し込み下さい。​

大会第1日目にはMHB学会2018年度年次総会を開催、真嶋潤子氏を総会議長として審議が行われ、会則、2018年度役員、本年度の活動計画が承認されました。(承認された会則はこちら、2018年度役員はこちらをご覧下さい。)


2018年8月8日 公開版

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母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会

2018年度研究大会のご案内

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 母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会は、国内外の複数言語環境にある幼児・児童・生徒・およびその他の学習者が読み書きも含むマルチリンガル能力を身につけられる言語教育の方法、理論、研究方法を探ることを目的として活動しています。
 発足から15年を数え、学会として新たなスタートを切る記念の大会となる2018年度の研究大会は「新時代のマルチリンガル教育を考える——バイモーダルろう教育からの示唆——」をテーマに掲げ、基調講演と二つのシンポジウ及び会員による研究発表(口頭発表10件、ポスター発表15件)などを予定しています。また、大会期間中にはMHBの4つの特別部会の会合が開催されますが、この会合には部会メンバー以外の方もご参加いただけます。
 大会ならびに部会会合への参加については、資料準備の都合上、事前申し込みをお願いしておりますが、当日参加も可能です。みなさまのご来場をお待ちしています。

MHB研究会 2018年度大会実行委員
mhb2018.conference@gmail.com

日時:2018年8月8日(水)、8月9日(木)

場所:国際基督教大学 〒181-0015 東京都三鷹市大沢3-10-2 

  • JR武蔵境駅よりバス(境93 国際基督教大学終点下車)で約12分
  • JR三鷹駅よりバス (鷹51 国際基督教大学終点下車)で約20分
  • そのほかのアクセス方法は https://www.icu.ac.jp/about/access/
  • 受付や会場を示したキャンパスマップはこちら

主催:母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会
共催:国際基督教大学 教育研究所

参加費用:3,000円(当日、受付で現金にてお支払いください。)
     *学生証の提示で2,000円になります。

参加申込み:https://2018registration.page.link/rniX
      当日参加も受け付けますが、準備の都合上、8月4日(土)までにお申込みください。

テーマ:新時代のマルチリンガル教育を考える−バイモーダルろう教育からの示唆−

 すでに会員の皆様にはご連絡しているとおり、MHB研究会として2003年度に発足したこの会は、15周年を迎える節目の年である今年度、学会として新たなスタートを切ることになりました。学会として初めての大会となる今大会では、これまでMHB研究会で取り上げてきた様々なバイリンガル・マルチリンガル環境下の教育について総括し、その学びを基盤としてさらなる飛躍を目指したいと考えています。
 こうしたMHBのこれからの発展の礎とすべく、一日目には1)継承日本語教育、2)ろう教育、3)ニューカマーの教育、4)インターナショナル・スクールや外国人学校での教育、5)日本の大学教育、という5つの異なるコンテクストの研究の現状と今後を考えるシンポジウムを用意しました。このシンポジウムでは、それぞれのコンテクストにおける研究・実践がその他のコンテクストでの研究・実践にどのように直接的また間接的に示唆を与えうるか議論を深め、本学会の特徴及び使命を明確化したいと思います。
 また、二日目には香港中文大学から手話言語学及びろう教育の世界的権威であるGladys Tang博士をお招きして基調講演をいただきます。今大会ではバイモーダルろう教育(※)というテーマを設定しました。ろう教育に直接関わっている会員は現時点ではあまり多くないかもしれません。しかし、日本手話と日本語という、まったく異なる二つの言語で育つろう児の言語発達及びびそれを支える教育について学ぶことは、ろう教育を考える上で重要であるばかりでなく、バイリンガル・マルチリンガル教育について学ぶ上できわめて重要な示唆を与えてくれ、この記念すべき大会にふさわしいと考えました。ご来場のみなさまと実りある学びの2日間としたいと思います。

※「バイモーダルろう教育」という用語は広義には自然言語である手話と現地語である音声言語の二言語使用を指す「バイリンガルろう教育」と互換的に使用されつつ、その中で(モダリティとしては単一の二言語である)音声言語のバイリンガリズムとの差について注目する際に使用されてきました。ただし、近年では、ろうの親の元に育った聴の子どもたち(コーダ)の研究や、人工内耳の普及などによって増えてきた音声言語も手話言語も使用するバイリンガルの研究などが盛んにおこなわれるようになり、手話と音声言語の二言語話者を育てる教育について「バイモーダルろう教育」と呼ぶことも増えてきました。こちらは狭義の使用ということになり、これと区別するためにこれまで広義の「バイモーダルろう教育」に含まれていた手話言語と書記言語のみのバイリンガル教育についてはsign-print bilingual educationとすることが増えてきました。
 今大会のテーマとしましては、広義における「バイモーダルろう教育」という意味における使用とし、この中には音声言語の活用を含むもの、また手話言語と書記言語の二言語に特化しているもの両方を含むものとしました。


開催プログラム  [PDFはこちら]

1日目  8月8日(水)

12:30  受付開始       【ディッフェンドルファー記念館東館 講堂】

13:00  開会、挨拶      【ディッフェンドルファー記念館東館 講堂】
         挨拶 湯川 笑子(MHB学会会長・立命館大学)

13:05  総会         【ディッフェンドルファー記念館東館 講堂】

13:45  MHB15周年記念シンポジウム  「MHBのこれまでとこれから」
                【ディッフェンドルファー記念館東館 講堂】
       司 会: 真嶋 潤子(大阪大学)
       海外継承日本語教育
       
     加納 なおみ(お茶の水女子大学)
            服部 美貴(国立台湾大学)
       バイリンガル教育としてのろう教育
       
     佐野 愛子(北海道文教大学)
       先住・定住・新来児童生徒の母語・継承語・バイリンガル教育
       
     櫻井 千穂(同志社大学)
       帰国児童生徒、国際学校・外国人学校児童生徒のための母語・継承語・バイリンガル教育
       
     小澤 伊久美(国際基督教大学)
       バイリンガル育成を目指した各種言語教育
       
     湯川 笑子(立命館大学)
       指定討論者:バトラー後藤 裕子 (ペンシルバニア大学)

15 :05  休憩

15 :20  ポスター発表1(1〜 10)、 デモンストレーション(11) 【大学食堂】

  1. 「言語学習に難しさのある学生への支援―事例に見る難しさとその対応―」
       保坂 明香 (国際基督教大学)
       武田 知子(同)
       澁川 晶(同)
  2.  "The ideology of authenticity in heritage language education:
     Through the praxis of Okinawan language teaching for Okinawan community in Peru"
       Koji NAKADA(Osaka University, Graduate School Student)       
  3. 「中英日の複数言語間における漢字の影響」
       柳瀬 千惠美(九州大学)
  4. 「日中韓キャンパスアジア・プログラム学生のトランス・ランゲージング」
       湯川 笑子(立命館大学)
       清田 淳子(同)
  5. 「トランス・ランゲージング・スペースが中国人高校生の日本語作文における学習方略に与える影響―学習態度の変容に着目して―」
       権野 禎(お茶の水女子大学大学院 博士後期課程)
  6. 「日本とロシア語圏にルーツを持つ児童に対する二言語教育」
       チモシェンコ・ナターリア(お茶の水女子大学大学院 博士後期課程)
  7. 「幼児期の英語学習が心の理論と実行機能にもたらす影響の検討
     ―バイリンガル幼稚園の子どもを対象に―」
       久津木 文(神戸松蔭女子学院大学)
       田浦 秀幸 (立命館大学) 
  8. 「日本で育った日台『ハーフ』が中国語学習を始める時」
       服部 美貴(国立台湾大学)
  9. 「ブラジル日系社会のバイリンガル児を育てる試み
     ―ブラジル、ピラール・ド・スール日本語学校の実践研究―」
       松田 真希子(金沢大学)
       渡辺 久洋(ピラール・ド・スール日本語学校)
  10. 「在日ブラジル人教育者向け教員養成講座の5年後
     ―オンライン講座の新規プロジェクト開始に向けた振り返り―」
       小貫 大輔(東海大学)
  11. 「日本語を第二言語とする児童の格助詞学習における項省略文の役割」
       趙 曌(広島大学大学院 博士後期課程)

17 : 00 – 18:30  SIG活動 (部会会合の詳細はこちら
  海外継承日本語SIG   (東ヶ崎潔記念ダイアログハウス2F 国際会議場)
  アセスメントSIG    (同 中会議室:17:00~18:00まで)
  インターナショナル・スクールSIG (アセスメントSIGと合同)
  バイリンガル作文SIG (18:00まで継承語SIGと合同、18:00~ 中会議室)

2日目  8月9日(木)

9:30   受付開始           【ディッフェンドルファー記念館東館 講堂】

10:00  基調講演  "Educating Deaf students as bilinguals "
      *日本手話通訳・日英通訳付き
   【ディッフェンドルファー記念館東館 講堂】
                 講 師   Gladys Tang 博士(香港中文大学 言語学科教授)
                 講師紹介  佐野 愛子(北海道文教大学)      

12:00  昼休憩

13:00  シンポジウム *日本手話通訳付き 【本館315】
                 司 会:佐々木 倫子(桜美林大学)
       研究発表 *日本手話通訳付き
         バイリンガルろう教育における教育手法としてのトランス・ランゲージング
           佐野 愛子(北海道文教大学)
           田中 瑞穂(北海道札幌聾学校)
       実践報告 *日本手話による発表(日本語通訳付き
         小学校高学年の手話科授業における日本手話と書記日本語の運用
           小野 広祐(明晴学園教諭・NHK手話ニュースキャスター)
       当事者報告 *日本手話による発表(日本語通訳付き
         日本語と日本手話を用いた大学での学び
           玉田 宙(明晴学園卒業生・大学3年生)

14:30  休憩

14:40  ポスター発表2,3 及び口頭発表1,2    4会場同時進行

<第1会場> ポスター発表2 *日本手話通訳付き​ 【本館301】
  「聴覚障害生徒の英語習得」
      岡 典栄 (明晴学園)
  「日本手話における腕の構えの考察」
      松田 俊介 (東京大学 学部生)

<第2会場> ポスター発表3 *日本手話通訳付き​​ 【本館302】
  「バイモーダル児のモード選択における対話者の使用モードの影響」
      平 英司 (関西学院大学 客員研究員)
  「Facebook学習コミュニティで外国人とろう者が共に日本語を学ぶ実践」
      吉開 章(The 日本語 Learning Community主宰・株式会社電通)

<第3会場> 口頭発表1  【本館303】

 ​14:40-15:10
  「継承語としての中国語学習者の語彙知識の獲得
   ―中国語専攻に在籍する大学生のケーススタディ―」
      小川 典子(立命館大学)
 15:10-15:40
  「一般教科の授業での外国にルーツを持つ生徒の母語使用の実態と課題
   ―中国にルーツを持つ生徒を例に―」
      王 一瓊(大阪大学大学院 博士後期課程)

<第4会場> 口頭発表2  【本館304】

 ​14:40-15:10
  ​「ACTFL OPI 超級レベルの継承日本語話者と非継承語話者の発話比較研究」
      高倉(林) あさ子 (カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
 15:10-15:40
  ​「マルチリンガル学生のライティング・プロセスにおける相互作用
   ―協働による主体性・創造性に焦点を当てて―」
      エルデネー・ビンデリア(お茶の水女子大学大学院 博士前期課程)

15 : 50   口頭発表3,4,5  3会場同時進行

<第1会場> 口頭発表3 *​日本語・日本手話通訳付き 【本館304】

 15:50-16:20 *日本手話による発表(日本語通訳付き)
  「ケーススタディ:二人のろう児のL1発達―4歳児時点と小学4年時点の日本手話―」
      狩野 桂子(明晴学園)
 16:20-16:50 *日本手話通訳付き)
  「日本手話・日本語バイリンガル児童の第二言語としての日本語の読解力評価
   ―DLA〈読む〉をろう児版に改訂して―」
      阿部 敬信(九州産業大学)

<第2会場> 口頭発表4  【本館315】

  ​15:50-16:20
  「家庭での母語継承語教育を促進する親子スペイン語教室の実践
   ― 家庭での取り組みの変化とその要因に着目して―」
      米澤 千昌(大阪大学大学院 博士後期課程)
      辻 立貴(大阪大学大学院 博士前期課程)​
  ​16:20-16:50
  "The role heritage language input and the language environment has
   on the development of bilingualism in bicultural children:
   Case studies of families residing in Tohoku and Tokyo"
      Barry KAVANAGH (Tohoku University)

<第3会場> 口頭発表5  【本館303】

 15:50-16:20
  「タイにおける複言語・複文化ワークショップの実践の場の拡張」
      松岡 里奈(泰日工業大学、大阪大学大学院 博士後期課程)
      久保 亜樹(大阪大学大学院 博士前期課程)
      深澤 伸子(JMHERAT代表)
 16:20-16:50
  「ロンドンに住む日本人母たちのジェンダーアイデンティティとエスニックアイデンティティ
   ―子どもの言語習得に対する視点から―」
      竹内 陽介(立命館大学)

16 : 50  閉会


《会場について》

  1. ご来場:駐車場に限りがございますのでお車でのご来場はお控えいただき、電車・バスをご利用くださいますようお願いいたします。タクシー:日本交通 03-5755-2151、境交通 0422-32-1434
  2. WiFi:会場内にはフリーのWiFi はありません。
  3. 大学食堂:東ヶ崎潔記念ダイアログハウスの1階にあり、11:00~14:00(昼食)と17:00~19:00(夕食)に営業しています。建物の中(中央のトイレに近いコーナー)には自動販売機があり、昼食と夕食の間の時間帯も、飲み物と菓子類を購入することができます。
  4. 売店(三省堂書店):ディッフェンドルファー記念館(西館)にあり、11:00~14:30 に営業しています。飲み物、菓子類、おにぎり、お弁当などを販売しています。1階には小さな販売窓口と自動販売機、ラウンジがあります。ラウンジはお弁当など持ち込み可能です。2 階には飲料と食品以外に書籍や文房具なども販売しています。
  5. 自動販売機と休憩所:大会会場となっている「ディッフェンドルファー記念館(東館)」「東ヶ崎潔記念ダイアログハウス」「本館(3階)」のいずれにも自動販売機があり、飲み物や菓子類の購入が可能です。ディッフェンドルファー記念館の東館と西館(講堂がある建物)と本館にはラウンジがありますので、お弁当を持参された場合には、こちらをご利用ください。大会二日目は、本館3階に参加者休憩室(309 号室)をご用意しましたので、そちらもご利用可能です。
  6. お子様連れでご参加の方へ:保育のためにご家族の方などを同伴なさる場合、保育者の方は参加費なしでお入りいただけます。当日受付にてその旨お申し出ください。上記休憩所をご利用いただける他、大会二日目には専用の教室(本館351 号室、スタッフ不在、ベッドや給湯設備なし)をご用意しましたのでご利用ください。

書籍出張展示販売のご案内

 8 月8 日(水)15:00〜16:50  【​東ヶ崎潔記念ダイアログハウス1階 ポスター発表会場内】​
 8 月9 日(木)13:00〜16:50  【​本館3階 314 号室】​

 出展業者
  凡人社 http://www.bonjinsha.com/
  くろしお出版 http://www.9640.jp/
  生活書院 http://www.seikatsushoin.com/


<参考> MHB研究会特別部会 各部会の活動目的

アセスメント部会

文化言語の多様な子どもの言語能力評価(アセスメント)に近年、日本国内でも関心が高まっている。当部会では、文化言語の多様な子どもの「ことばの力」の評価において、どのような側面をどう捉えるべきか理論を学び、新しい評価法の開発や既存の評価法の検証を行う。また、評価法が適切に実践されているか、結果がどのように活用されているかについても実践を共有し、よりよい言語教育のためのアセスメントの応用を考える。

海外継承日本語部会

海外で日本語を継承語として教える教師を中心に、継承語・バイリンガル教育に関心のある研究者の集まりとして発足。補習校や週末学校の先生をはじめ、現場で運営にたずさわる人々、継承語学習者の調査に関心のある研究者などが参加している。メンバーの情報交換と専門家としての能力開発(プロフェッショナル・ディベロップメント)を目的とする。https://sites.google.com/site/keishougo/

バイリンガル作文部会

文化・言語の多様なこどもの言語能力の中でも特に作文力の育成はアカデミックな場面における評価の問題に直結することからもきわめて重要な課題である。本部会ではバイリンガルの子どもたちの作文力を二言語とのみ発達支えていく教育実践を指させることを目的とした作文力発達の研究を行うとともに、そうした研究に裏打ちされた教育実践のあり方を模索していくことを目的とする。

インターナショナル・スクール部会

国内外の海外・帰国子女、国際学校子女、その他各種イマ―ジョン教育に関わる教育実践者や研究者は、各国や各地域内ですらネットワークが希薄である。そこで、MHB研究会という名の下に、各学校、各地域、各国の多様性をこえて、国内インターナショナル校と国外インターナショナル校および関心がある人々を結ぶネットワークを進め、実践活動の質の向上と、研究活動の活性化を目指す。https://sites.google.com/site/mhbinternationalschool